明治安田生命ボート部

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レース結果

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ヘンレーロイヤルレガッタ レースレポート

◇◇ヘンレーロイヤルレガッタ参戦◇◇
ゴール前の風景(舵手なしフォア 2回戦) The Wyfold Challenge Cup 舵手なしフォア レース後 ロンドンローイングクラブと
ボートの祭典、英国伝統の「Henley Royal Regatta(ヘンレーロイヤルレガッタ)」※が7月2~6日、ロンドン郊外のヘンレーオンテムズ(2112m)にて行なわれ、L.A.クルーは三菱ボートクラブ代表としてThe Wyfold Challenge Cup他3種目に参加し、それぞれベスト8、ベスト16の成績を残しました。
今大会の遠征にあたりご協力いただきました三菱養和会、三菱ボートクラブ、英国三菱商事会社のみなさま方に厚く御礼申しあげます。
※「ヘンレーロイヤルレガッタ」とは、テムズ川中流の街ヘンレーオンテムズで毎年この時期に開催されるアマチュア最大のボート競技会。イギリスでは7月の第一週を「Henleyweek(ヘンレーウィーク)」と呼び、イギリス国内だけでなく海外からも多くの観客が訪れる。この大会は通常のボート競技と違い、1対1でレースを行ない勝利したチームのみが次戦に進出できるトーナメント方式の大会である。また観客席にはドレスコードが設けられており、ブレザーやドレスで着飾った観客が毎日数十万人の規模で賑わう。

※写真をクリックすると拡大写真をご覧いただけます。


The Wyfold Challenge Cup(舵手なしフォア) ベスト8

The Wyfold Challenge Cup 舵手なしフォア スタートスプリント この種目は世界選手権などの国際レースの出場経験がない選手が出場できるカテゴリーで、ヘンレーロイヤルレガッタの中でも古い歴史をもつ種目である。イギリスのクラブチームの間でも人気が高く、本戦出場枠が32クルーに限られており、出場枠を獲るためにクラブチームが毎年力を注いでいる。L.A.クルーは日本国内のレース実績が評価され、予選レースを免除され、本戦から出場した。ベスト32から始まった1回戦・2回戦ともに、相手クルーにスタートからリードを奪いそのままゴール。順当にベスト8まで勝ち上がった。
ベスト8での相手は創立150年の歴史を持つイギリスを代表するクラブチーム「London R.C ‘B’」。この大会を何度も優勝している強豪との対戦となった。L.A.クルーはスタートで僅かにリードし、このまま逃げ切るレース展開となると思われた瞬間、コース脇にある木枠(通常のレースは「浮きブイ」でコースを区切っているが、ヘンレーロイヤルレガッタではコース横を角材で区切っている)に衝突。急いで態勢を整えるも大きく離され、その差を詰めることができずゴール。非常に悔いを残す結果となった。なお、L.A.クルーを敗った「London R.C ‘B’」は準優勝を果たしている。

【決勝結果】
日時 Barrier Fawley Finish
1回戦7/2(水) Mitsubishi B.C., Japan Maidstone Invicta R.C. 大差 2分06秒 3分33秒 7分26秒
2回戦7/3(木) Mitsubishi B.C., Japan London R.C. ‘D’ 3艇身1/4 2分06秒 3分31秒 7分29秒
準々決勝7/4(金) London R.C. ‘B’ Mitsubishi B.C., Japan 大差 2分07秒 3分37秒 7分30秒
【男子舵手なしフォア】
ポジション 氏名
S 岡山  理
3 長﨑  哲也
2 光岡  紘輔
B 中溝  健晴


The Silver Goblets & Nickalls’ Challenge Cup(舵手なしペア) ベスト8

The Silver Goblets & Nickalls' Challenge Cup 舵手なしペア ラストスパート この種目はオープンカテゴリー(国際レース代表経験者も含む)で行なわれる種目であり、各国の代表経験者が多数出場している。L.A.クルーは日本代表経験がある佐藤・浜田ペアが参戦。ベスト16から始まった1回戦は重量級の選手を相手に軽量級ながらも大差で勝ち、ベスト8進出。ベスト8の相手は昨年のヨーロッパ選手権のファイナリスト「J.Mueller&F.Mueller(ドイツ)」。レースはスタートから果敢に攻めるも「J.Mueller&F.Mueller」のスピードとパワーに少しずつリードされ、追い上げを図るも届かずゴール。ベスト8という結果となった。

【決勝結果】
日時 Barrier Fawley Finish
1回戦7/3(木) Y. Hamada & Y. Sato, Japan J.A. Thompson & D. Simpson 大差 2分21秒 3分58秒 8分29秒
準々決勝7/4(金) J. Mueller & F. Mueller, GER Y. Hamada & Y. Sato, Japan 2艇身半 2分21秒 4分00秒 8分24秒
【男子舵手なしペア】
ポジション 氏名
S 佐藤  芳則
B 浜田  祐太


The Diamond Challenge Sculls(シングルスカル) ベスト16

The Diamond Challenge Sculls シングルスカル 中盤の力漕 この種目はオープンカテゴリー(国際レース代表経験者も含む)で行なわれる種目であり、湊はこの種目に予選会から出場。本選へは予選会出場上位7クルーが出場でき、イギリス全土より集まる選手たちと争い、見事本戦出場権を勝ち取った。本戦には予選会から出場の7クルーを加えた全16クルーが出場。初戦の相手は2003年の世界選手権ファイナリスト「W.H.Mackworth-Praed」選手。湊はスタートからとばすも、序盤からリードされ力およばず初戦敗退となった。

【決勝結果】
日時 Barrier Fawley Finish
1回戦7/3(木) W.H. Mackworth-Praed Y. Minato, Japan 1艇身半 2分23秒 4分07秒 8分51秒
【シングルスカル】
ポジション 氏名
シングルスカル 湊義徳


ヘンレー遠征記

浜田祐太(The Silver Goblets & Nickalls’ Challenge Cup出場)
ロンドンローイングクラブの壮行会へ参加

観覧席の風景

レースを終えコースにて
  成田空港から約12時間のフライトで英国ヒースロー空港へ到着。空港からHenleyまでは車での移動となり、1時間ほどで到着しました。サマータイムのため日本との時差は8時間で、緯度が非常に高いので夏のうちは日が暮れるのが非常に遅く、着いた当日は時間の感覚が全く麻痺したようになっていました。翌日は少々だるさを感じつつも、艇のセッティングや道具のチェックを行ないテムズ川へ初めて漕ぎ出しました。Henleyへ来たことがあるチームメイトの話のとおり、風景は奇麗で空は突き抜けるように青く、丘の緑を太陽が照らし、人々は皆ニコニコしながら穏やかに過ごしている、という場所でした。Henleyはイギリスの中でも休暇を過ごす別荘地のような場所だそうで、とくにHenley Royal Regattaの時期はテムズ川をクルーザーで上ってきて過ごす人や、別荘に知り合いを招待して、試合を観戦しながら交流を深める人もたくさんいるようです。町で配っていたフリーペーパーには、「今年のHenleyに着て行きたいファッション」のような特集があり、色とりどりのドレスで着飾ったモデルが載っていました。
  英国は物価が高く、特に外食産業は日本の2~3倍すると言っても過言ではありません。日本からは多少の日本食を持って行きましたが、大の大人が10人、2週間を日本食で過ごしきるほどの量を持っていけるものではなく、現地での外食や、スーパーで買ったものを調理して食べることも多かったです。
  レースに向けてのトレーニングの合間に、歴史あるイギリスの名門クラブの中でも超がつくほどの名門クラブ、London Rowing ClubのHenley壮行会にゲストとして招待していただきました。London Rowingは2007年に全三菱レガッタに招待クルーとして来日していただいたクラブです。現地に行ってみて……表現しづらいのですが、日本におけるスポーツクラブとはイメージが全く異なっていました。イギリスではスポーツが、社会的に明確な地位を確立されており、自らを律するために必要不可欠であると認識されています。人生を豊かなものにするために、社会(=会社など)で活躍することも、スポーツにおいてトップをめざすことも全くの同義であり、欠くことのできない両輪なのです。London Rowingのメンバーとコミュニケーションをとりながら、再度現状に満足することなく努力し続けトレーニングに励もうと決意しました。
  1週間の現地トレーニングと調整をこなし、ついにレースが始まりました。身体のコンディションもよく、コンビネーションも向上し初戦に臨むことができました。ウォーミングアップの時に、コース脇を巡航していたクルーザーから、「みつびしー!!浜田、佐藤、がんばれー!」と日本語での応援をいただき大変驚きました。
  集中して臨んだ一回戦のスタートですが、ちょうどクルーザーが通った後の波の影響でスタートに失敗し出遅れてしまいました。しかし慌てることはなく立て直し、すぐに相手クルーに追いつき、ゴールでは大歓声に迎えられ、かなりの差を持ってゴール。私としてはHenley初勝利となりました。
  二回戦は非常に風が強く、川の流れも逆流というタフなコンディションになりました。スタートから攻める作戦で臨み、スタートはばっちりと成功――と思った次の瞬間、相手クルーはさらにスピードを上げて艇差をつけられてしまいました。ずるずると離されるかと思ったところで、コンスタント(巡航速度といえばいいでしょうか)スピードはそれほど変わらないことがわかり、相手クルーとの差を詰めるために一本一本の漕ぎに高い集中力を持ったレースを展開することになりました。じりじりと艇差が縮まりつつも、やはり相手はオープンのクルー。決め手がないうちに距離は少なくなっていき、ラストのスパートでも力およばずゴール。差は約5秒というところでした。
  レース後、ぐったりして陸にあがってくると、イギリスの紳士の方から「今のレースはいいレースだったね」と声をかけられました。相手のクルーは昨年のヨーロッパのファイナリストだというようなことを言われ、「日本の軽量級のクルーは速いクルーがたくさんいるね。これからも頑張って」と応援していただき、この国のボートの人気を再認識しました。
  Henleyはトーナメント方式なので、残りの日程は他のクルーを見ながら過ごすことになりました。もっとも、大事なことはレースでは見えにくくなっていて、逆にトレーニング中における海外トップに君臨するクルーの姿は、これ以上ない自分の糧となりました。Grand Challengeという最高峰のレース(種目は8+)で勝ったのはカナダのクルーで、メンバーはほぼナショナルチームのメンバーだったように思います。まさしくこのクルーでオリンピックにいく、というメンバーが目の前のコースを走り抜けていく姿は、やはり圧巻でした。
  これからは今回の遠征の経験を生かし、まずは9月の全日本選手権のエイト優勝をめざし、全力で挑戦し続けていきたいと思います。
  最後になりますが、今回の遠征にあたってご尽力いただきました三菱養和会、三菱ボートクラブ、英国三菱商事会社のみなさま方、また日頃から私たちの活動にご理解と多大なるご助力をいただいている会社、職場のみなさまに厚く御礼申しあげます。ありがとうございました。
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