第60回全日本社会人選手権・ヘンレーロイヤルレガッタ・Crew JAPAN 国際大会 レースレポート
第60回全日本社会人選手権 レースレポート
7月3・4日、「第60回全日本社会人選手権」が宮城県長沼ボート場(2000m)にて行なわれ、女子シングルスカルが2位・3位、男子舵手なしペアが3位に入賞しました。
女子シングルスカル 首藤2位、谷口3位入賞
優勝したのはこの種目の昨年度の全日本選手権覇者の赤尾選手(ひた市A)。首藤は4秒差で2位と大健闘した。3位の谷口も最後までレースを諦めず、ゴール直前でアイリスオーヤマの武澤選手を捉え、メダルを獲得した。6位の堀端は故障復帰後の全日本級レースでは入社以来最高の漕ぎとなり、完全復活への確かな足がかりとなった。 |
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漕手コメント | ||
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「2位という結果に満足しておりませんが、今シーズン確実に力をつけているという実感ができました。 まだまだ伸びるという可能性を信じて今後も努力していきたいです!」(首藤) 「今回は3位という結果でしたが、あまり納得のいく順位ではありません。次は、全日本に向けて優勝目指して精一杯頑張ります。」(谷口) 「予選では今年一番のレースができました。しかし決勝では硬くなってしまったか、思うようなレースが出来ませんでした。決勝でも自分の実力を発揮できるように今後練習を積み重ねていきたいです。」(堀端) |
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男子舵手なしペア 3位入賞
今大会では特に前半から飛ばす作戦でスタート。しかし中盤、この種目のスペシャリストであるトヨタ紡織、今年の千葉国体優勝を目指して強化が進む住友金属鹿島にリードを奪われ、残念ながら3位の結果となった。コンビを組んで日が浅く、直進性に課題があった中で良く健闘したとも言えるが、明確となった課題を克服して全日本での優勝を目指して欲しい。 |
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男子シングルスカル 本田6位
予選ではリラックスして終盤まで良く漕ぐことができ、上位のタイムで決勝に進出したものの、決勝レースでは漕ぎにやや硬さが見られ、前半での何本かのミスオールが響き、惜しくも6位となった。しかしながら全日本級の大会で初の決勝レース経験により、今後の大きな成長に期待が持てる結果となった。 |
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漕手コメント | ||
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「決勝はやや逆風の中のレースとなりました。初めて決勝に進み、6位となりました。今後も練習に励み、自分より速く漕ぐ相手を追い抜けるよう努力いたします。」(本田) |
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ヘンレーロイヤルレガッタ レースレポート
ボートの祭典、英国伝統の「Henley Royal Regatta(ヘンレーロイヤルレガッタ)」※が6月30~7月4日、ロンドン郊外のヘンレーオンテムズ(2112m)にて行なわれ、L.A.クルーは三菱ボートクラブ代表として2種目に出場しました。また、Crew JAPAN(日本代表)でワールドカップ参戦中の片岡は「Yamato Rowing Club」として The Stewards’ Challenge Cup (M4-)に出場し、ベスト4に入りました。
今大会の遠征にあたりご協力いただきました三菱養和会、三菱ボートクラブ、英国三菱商事会社のみなさま方に厚く御礼申しあげます。
※「ヘンレーロイヤルレガッタ」とは、テムズ川中流の街ヘンレーオンテムズで毎年この時期に開催されるアマチュア最大のボート競技会。イギリスでは7月の第一週を「Henleyweek(ヘンレーウィーク)」と呼び、イギリス国内だけでなく海外からも多くの観客が訪れる。この大会は通常のボート競技と違い、1対1でレースを行ない勝利したチームのみが次戦に進出できるトーナメント方式の大会である。また観客席にはドレスコードが設けられており、ブレザーやドレスで着飾った観客が毎日数十万人の規模で賑わう。
Silver Goblets & Nickalls’ Challenge Cup(男子舵手なしペア:ベスト8)
予選会から参加。予選会はタイムトライアル形式で行われ、上位チームが本戦へ参加となる。30秒毎のスタートし、確実に前後のクルーには差を付けることができ、見事予選突破。1回戦はスタートで出られたものの、コンスタントで抜き返し完勝!予選会上がりのクルーとしては大きな1勝でした。2回戦はイギリス代表(北京金メダルフォアのストロークペア)との対戦。スタートからリードを奪われ、そのままゴールし敗退。しかし大観衆の中、自分たちの漕ぎに集中することができ、今後につながる貴重なレースを経験することができた。 |
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漕手コメント | ||
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「今回は、予選会からの出場ということで気合いをいれて渡英しました。結果的には予選を通過し、ベスト8という結果を残し、いい経験を積むことができました。今後も海外で得た経験を次回からの試合に活かし頑張ります。」(長﨑) |
Silver Goblets & Nickalls’ Challenge Cup 予選突破
Silver Goblets & Nickalls’ Challenge Cup 中盤の追い上げ(審判艇より)
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The Visitors’ Challenge Cup (男子舵手なしフォア:ベスト16)
今年は日本代表経験がある4名であるため、昨年までの「Wyfold Challenge Cup」より1ランクレベルが高い当種目に出場。強い逆風の中、スタートでリードされたものの、1艇身以内の小競り合いで終盤までもつれ込み、ラストスパート。スタンド前で差し、カンバス出て、「よし勝った」と思った瞬間、ゴール直前で、更にスパートの応酬!そのままもつれゴール。審判艇から勝敗は全くわからず、結果を待つ。残念ながらカンバス差で勝利を勝ち取ることはできなかったが、当日のレースの中では最も盛り上がった激戦として、観戦者より大声援を受けたレースであった。 | ||
漕手コメント | ||
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「カンバス差での敗北と、とても悔しい結果に終わった。レースは練習中の課題がそのまま出た分、今後の方向性も明確になった。世界の舞台で戦う機会をいただいていることに感謝しつつ、全日本選手権へ向けて邁進いたします。」(岡山) |
The Visitors’ Challenge Cup 中盤の接戦
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The Stewards’ Challenge Cup (男子舵手なしフォア:ベスト4)
ワールドカップを転戦している『Crew JAPAN(日本代表)』。今年は各国代表クラスのクルーが出場する当種目へ参戦。2回戦、相手は北京オリンピック銅メダルのフランスの重量級舵手なしフォア(※日本代表は軽量級)。スタートでリードを奪い、バリアー地点はリードしたまま通過。中盤差を詰められ逆転されるが、そのまま差がない状態で観覧席前を両クルーラストスパート。レートをさらに上げるも追いつかずそのままゴールし敗退。しかし重量級の強敵であるフランスと差のないレースを行うことができ、世界選手権に向けて大きな一歩となるものであった。 |
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漕手コメント | ||
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「日本代表クルーとして、ボートの聖地テムズ川で漕げたことを誇りに思います。」(片岡) |
The Stewards’ Challenge Cup ラストスパート
The Stewards’ Challenge Cup 観覧席より
*その地点では敗者がリード |
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Crew JAPAN 国際大会 レースレポート
今シーズンもL.A.クルーより5名が2010年の日本代表「Crew JAPAN」に選抜され、ワールドカップをはじめとする各国際大会で大活躍いたしました。その中でも世界U23選手権にて、福本が女子軽量級シングルスカルで日本ボート界女子初の銀メダル獲得しました。
※「Crew JAPAN」とはボート競技日本代表の愛称。2012年ロンドン五輪でのメダル獲得を最大の目標に、国際大会にて活動する。
女子軽量級シングルスカル・福本 世界U23選手権 銀メダル獲得!
昨年度、日本代表としてアジア選手権大会女子軽量級ダブルスカルで3位入賞した福本。それを機にさらにレベルアップし、今シーズン国内大会ではお花見レガッタ、全日本軽量級選手権と女子シングルスカルで優勝している。その勢いで今年度も「Crew JAPAN」に選出され、まずはワールドカップ第2戦(ドイツ・ミュンヘン)、第3戦(スイス・ルツェルン)に出場。第2戦は予選3着、準決勝2着でファイナルA(決勝)に進み、日本のボート界、女子初の5位に入賞。 そしてその勢いのまま世界U23選手権(ベラルーシ・ブレスト)へ出場。予選は地元ベラルーシに次ぎ、全体で2位となる好タイムで通過すると、準決勝でも終始上位をキープし危なげなくファイナルA(決勝)進出を決め、日本女子として初のメダル獲得への期待が高まった。ファイナルAではどのクルーもメダル獲得に向けスタートから果敢に攻めてくることが予想され、福本は500m地点を5位で通過、トップと4秒差と出遅れる展開。しかし福本は焦ること無く徐々に他クルーとの差を詰め、1000m地点ではオーストリアを抜き4位。1500m地点ではカナダを抜き3位に順位を上げメダル圏内へ突入すると、ラスト500mでは猛スパートをかけカナダを突き放し、更に前を行く南アフリカを捕え2位でゴール。福本にとっては各国の同世代が集まるこの大会で銀メダルを獲得することができたことは、2年後のロンドンオリンピックを目指すにあたり大きな収穫となる遠征となった。 |
世界U23選手権 女子シングルスカル(福本) ゴール後の喜び
世界U23選手権 女子シングルスカル(福本) マックスラート・ヘッドコーチと
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男子軽量級舵手なしフォア・片岡
片岡は昨年に引き続き男子軽量級舵手なしフォアでワールドカップに参戦。第1戦から第3戦まで転戦した。その結果9位、9位、11位とまずまずの戦績。このままの勢いでオリンピック出場を目指し頑張っていってもらいたい。 | ||
漕手コメント | ||
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「昨年まで競い合えていた国に、今年は差をつけられており、世界との進化の差を実感させられました。来年の世界選手権で11位以内に入り、オリンピックの出場権を獲得するには、さらなる努力と飛躍が必要と感じました。」(片岡) |
ワールドカップ第2戦 男子舵手なしフォア ファイナルBレースへ
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男子軽量級舵手なしペア
ワールドカップ第3戦では佐藤・奥村選手(トヨタ紡織)ペアと、浜田・光岡ペアがファイナルCで対戦。スタートから横ばいの展開。中盤から若干浜田・光岡ペアがリードし、そのままラストスパート。佐藤・奥村選手も追い上げるも、ほんのわずかな差で浜田・光岡がゴールし、当大会で13位、14位の結果となった。 | ||
漕手コメント | ||
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「2009年に引き続き、同じメンバー(浜田&光岡)で世界へのチャレンジになりました。昨年はスタートから一気に離される展開でレースにならなかった印象がありましたが、今年はスタート~中盤のスピードが改善され、相手の存在を感じながらレースができたと思います。結果には満足していませんが、昨年からの成長や今後の課題を感じることができる遠征になったので、この経験を今後のレースに活かしていきたいと思います。」(光岡) |
ワールドカップ第3戦 男子舵手なしペア ファイナルC JPN1 ・JPN2トップ争い
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